VRの未来:現実と仮想の曖昧な境界(SXSW2014 )
Facebookが20億ドルで買収したVRヘッドセッド「Oculus Rift」をはじめ、コントローラーが更に直感的になった「Survios」など、VR(Virtual Reality)への注目が集まっています。SXSWでも上のような姿もチラホラ見かけました!
VRは30年周期で繰り返していると言われています。「Mounted Three-dimensional Display(1968)」にはじまり「VirtualBoy(1995)」の時期を経て、またやってきた再VRブーム。
今回はSXSW2014で発見した「リアリティ」の概念を変えうる未来の種を考えていきたいと思います。
と、その前に、VR?AR?MR?SR?...と言葉疲れをしていたところなので、一旦自分の勉強までに整理をしてみました。(絵心はこれからつけていきます...オシャレ加工してるのに見苦しいな...。)
●仮想現実(Virtual Reality 略してVR) :
実際の形はしていないか、形は異なるかも知れないが、機能としての本質は同じであるような環境を、ユーザの感覚を刺激することにより理工学的に作り出す技術およびその体系。ーWikipedia●拡張現実(Augmented Reality 略してAR):
人が知覚する現実環境をコンピュータにより拡張する技術、およびコンピュータにより拡張された現実環境そのものを指す言葉。ー Wikipedia●複合現実(Mixed Reality 略してMR ):
現実空間と仮想空間を混合し、現実のモノと仮想的なモノがリアルタイムで影響しあう新たな空間を構築する技術全般を指す。ー Wikipedia●代替現実(Substitutional Reality 略してSR):
予め用意された「過去」の世界を「現実」と差し替え、被験者に過去を現実と区別無く体験させる ー 理化学研究所
ということらしいです。フムフム...。
●予報01:現実世界と仮想世界の境界が曖昧になっていく。
SXSWのGamingExpoが開催されたLong Centerの外には大きいゴーカートコースが!!
Oculus等を見ていると、ついついガチガチの3Dゲームの世界を想像しがちですが、「マリオカート」を現実世界で体験することができるものでした。
現実空間に仮想なものを追加し体験をさせる、まさに複合現実(MR)エンターテイメントですね!
その他にも、日本からYOSHIKIがSXSWに乗り込み、ホログラムの自分と連弾を行いました。
プロジェクションマッピングやAR等の技術と、メガネをはじめとするウェアラブルデバイスの浸透により、現実世界と仮想世界の境界は今後もどんどん曖昧になっていくと思います。
いや、もはやスマートフォンを見ながら歩く人がこんなに多いという事は、気づかないうちに既に片足突っ込んでいるのかも…。
●予報02:現実世界にある壁を越える技術達
XSW Accelerator のエンタメ&コンテンツテクノロジー部門でWinnerに輝いたのは「Waygo」。
カメラで映した中国語が英語に自動翻訳されるアプリケーションです。(中国語で実現するのは難しいらしい!)
同じようなアプリですが、デザインを保ったままカメラにうつされた文字を翻訳してくれる「Word Lens」もGoogle Glass等のメガネ型でバイスに適応されれば、まさに技術で言語の壁を越えることができそうです。
このように今はスマートフォンのブラウザで接種している情報が、自然と現実世界にプロットされる、現実と仮想が混じり合ったリアリティが今後どんどん増えていくでしょう。
●予報03:今までにない掛け算で新しい地平が作られる。
まずはこの美しい映像を見てください。見ておわかりの通り、これは脳のMRIです。
3Dダンジョンのようにコントローラーを使って脳の活動を自由に観察することができます。これはUCSFの神経科学者とSecond Lifeの開発者で共同開発されたGlassBrainというソフトの映像で、このデモがSXSW2014の「Virtual Reality Meets Neuroscience」というセッションで行われました。
脳活動のスキャニング技術と録画技術、そしてバーチャルリアリティの技術が掛け算され、今までにはないくらい速度が早い(リアルタイムな)脳活動の可視化と、様々な視点(没入型)での観察が可能になりました。
これは、セラピーの効果測定や神経疾患の方への治療等、とても大きな可能性を秘めています。まさに異なる分野の掛け算が化学反応を起こした良い事例ですね!!
ちなみに、Music期間中にはこのGlassBrainのデモとともに、Greatful Deadのドラマーが脳活動を活性化させるビデオゲームを行うデモも行われたようです。
将来的にはバーチャルリアリティゲーム自体が薬になったり、薬の処方箋になったりする日も近いかもしれないですね!映像の領域はいつまで広がり続けるのでしょうか....???